デルフィニア戦記は、茅田砂胡作の長編冒険ファンタジー小説です。魅力的な登場人物たちが、中世ヨーロッパ風の世界で躍動する。そんな物語です。
「デルフィニア戦記」とは
前国王の妾の子であったために、陰謀によって王位と命を狙われて城を脱出し、追っ手の者たちと単身で戦うウォルの前に、異世界から謎の少女リィが現れ、助太刀をするところから始まり、この二人の出会いから大国デルフィニアを取り戻し王位を奪還するという物語です。異世界ファンタジーの王道ですね。
『デルフィニア戦記』おすすめの理由
おすすめポイントは、主人公(リィ、ウォル)が非常に個性的で魅力あふれているところ。ストーリーは軽快で、登場人物同士の会話も面白い。戦闘シーンはありますが、決して重たくないので読んでいて疲れません。テレワークで外にでることが少なくなって内向きになりそうなところを、スッキリさせるような物語です。
気軽に読めますし、主人公リィの無双ぶりに「それはないでしょ」と思わず声出すとか。また基本ギャグ物語ではないのですが、登場人物同士の会話に思わず「ぷっ。」となったり。テレワークで疲れた体をスカッとさせましょう。
そんな「デルフィニア戦記」のおすすめのポイント3つを紹介
主人公とその周りの登場人物が魅力ある(一癖二癖ある)人間ばかり。
主人公の二人(リィ、ウォル)だけでなく、その二人以外の登場人物も魅力的。幼友達、従兄弟とか様々な人々が登場し、リィと出会いその力に驚愕し、何も関係ない異世界から来た少女が、ただ無欲でウォルを信じ力を貸す姿に打たれ、皆でデルフィニアをウォルの手に再度取り戻していく。まあ、人間くさいんです。
信念をもって突き進む。泥臭いけどかっこいい。われわれが忘れてしまった心がこの物語にはあります。
一言で言うと「笑いと感動」
とにかく登場人物同士の会話がテンポ良くて面白いです。物語は笑いを含めてながら軽快に進んでいきます。
油断していると一人ニヤニヤしてしまったり、つい「プッ」と吹き出したりします。笑いだけではありません。「戦記」とついていますから当然戦いもありますし人が亡くなるシーンもある。登場人物が人間臭くて泥臭い。だからこそ「その人物の思いを描いたシーン」「別れのシーン」は読んでいて心にくるんです。自然と目がうるうると。。。。
決して、「電車の中」とか「スタバの中」で読んではいけません。変な目で見られますよ。
緻密な戦争シーンとか作戦とかは一切なし。深く考えないで読める。
「戦記」とあるのに、そこに「緻密な戦いの戦略」とか「伏線ありまくり」というような物語ではありません(笑)。
「考えるな。察しろ!」です
城の城壁に追い込まれ、そこには階段も何もない。飛び降りたら確実に死なないまでも大怪我。ええ。普通なら何かありますよね。
「その時、歓声が」敵が「ぎゃー」とかなって援軍が。ええ、この物語にはありません。どうするか。「飛び降りればいいじゃん」です。
リィ「ぼくが飛び降りるから、そのあとウォルも飛び降りてきて。」はぁ?です。
兎にも角にもリィだけ無双。笑えます。「ピンチは全て力押しの一手」。深く考えてはいけません。
書籍情報
「デルフィニア戦記」
- 「放浪の戦士」
- 「黄金の戦女神」
- 「白亜宮の陰影」
- 「空漠の玉座」
- 「異郷の煌姫」
- 「獅子の胎動」
- 「コーラルの嵐」
- 「風塵の群雄」
- 「動乱の序章」
- 「憂愁の妃将軍」
- 「妖雲の舞曲」
- 「ファロットの誘惑」
- 「闘神達の祝宴」
- 「紅の喪章」
- 「勝利への誘い」
- 「伝説の終焉」
- 「遥かなる星(トキ)の流れに 上」
- 「遥かなる星(トキ)の流れに 下」
- 「外伝 大鷲の誓い」
- 「外伝2 コーラル城の平穏な日々」
- 「外伝3 ポーラの戴冠式」
著者情報
茅田砂胡さんは1992年に『デルフィニアの姫将軍』でデビューした作家です。翌年に大幅改訂したデルフィニア戦記シリーズの第一作となる『放浪の戦士』を発表して一躍大人気作家の仲間入りをはたしました。
また「デルフィニア戦記」だけでなく。多くのシリーズがあります。ファンタジーだったり、SFものだったりと様々です。特に「暁の天使たち」は、主人公リィが異世界から帰った後のSFものです。この小説にハマった方には次に読む本としておすすめです。
その他にも、この著者の作品は同じ登場人物が出てくるシリーズがあります。
まとめ
実は40代後半になってから読みましたが、すっかりハマってしまいました。とにかく読んで楽しい物語です。
テレワークで疲れた体に、ほっと一息いかがですか。若い方はもちろん、年代を問わず楽しめる小説だと思います。
気がついたら夜更かし。結局疲れて…….。自己責任でお願いします(笑)